「アルガマリーナ」は南房総にある食品会社、食堂「なむら」を運営しています。社長の金高さんは元漁師で、地元の新鮮な水産物を使った商品を作り、「にっぽんの宝物・最優秀賞」など数多くの賞を受賞しています。

2020年2月、知人のカメラマン・住吉歓彦さんから「地元・南房総に面白いオヤジがいるから紹介したい」と連絡がありお会いしました。金高さんは80を過ぎてもお元気で、新商品の話やお店の未来・夢を熱く語られました。
とは言え、お店は雑然としているし、裏にあるウッドデッキはゴミ置き場のようで理想と現実にギャップを感じました。しかし金高さんの人柄に触れる中、夢に向けてのお手伝いを住吉さんと一緒にする決心をしました。

まずお店に入りやすくなるよう、メニューの掲示と右扉から店内が見えるよう暖簾を新しくすること、また店内に無造作に飾られていた賞状を、構造合板で作った壁にまとめて飾るように提案（施工は地元の大工さん）。また、全ての料理を撮影して、店内・外のメニューを作成。ロゴを新しくし、暖簾・のぼり・商品パッケージなどをデザイン。商品を使ったミニレシピも作り、食堂のテーブルに置きました。
ゴミ置き場のようになっていたウッドデッキは、住吉さんの友人も応援に来てくれ、皆でペンキを塗りテーブルも作って30席余りの客席に変身。海鮮バーベキューが楽しめるようになりました。
「エイ」を使った新商品は、2021年2月に「テレ東・ガイヤの夜明け」で紹介され、同年3月には「にっぽんの宝物」でグランプリを受賞。商品は道の駅でも販売されています。しかし喜びも束の間、金高さんはその年の冬に体調を崩され闘病も実らず他界されました。「なむら」は金高さんの夢を引き継ぎ、奥さまが地元の方々の協力を得て現在も営業を続けられています。